奇病

実に久しぶりに、【エレファントマン】を観た。
顔面の骨組織の発達障害で起こる奇病を病んだ男ジョン・メリックの半生を描いた傑作で、監督はデビッド・リンチである。

どのような病気なのかを知りたい人は、Youtubede【奇病】で検索すれば、少なくとも2例の動画がヒットする(成人指定)。

この病気は、最終的には呼吸不全で死ぬ運命であり、近代の医学で無ければ、治療は不可能だ。
映画の舞台は19世紀末なので、見世物として扱われ、彼も最期には疲れたように横たわる。

知性や心は常人と同じでも、その余りにも奇怪な外見のために、孤独を余儀なくされるジョンの姿は、様々なことを考えさせられる。
外見はまともでも、性根が腐りきっている輩と比べれば、彼の生き方の清廉さは、美しいと言える。

彼が望んでも得られない物を、多くの人間は与えられているのに、その幸福を気にも止めないでいる。

本当に、私も甘えた輩と変わらない。