噴火

本日、2つ目の雑記。

鹿児島県は、昨日から今日にかけて、平成18年以来、最高の降灰量を記録したとの事。
火山活動が活発になっている、というのは、世界的にも指摘されていることだが、今回は風向きが市街地方面のため、灰色の雪に覆われたかのような映像が、かなりインパクトがある。

最も、鹿児島県民にしてみれば、『またか』といった感じで、後の掃除に頭を悩ますぐらいで、別に特別な危険があるわけではない。

それより、去年爆発した新燃岳(鹿児島・宮崎)のマグマ量が、爆発的噴火に充分な量を満たしつつある方が問題だ。
http://www.nhk.or.jp/kagoshima3/shinmoedake/index.html
このURLは、NHK鹿児島がリアルタイムで新燃岳の様子を流しているものだが、予想通りならM.7クラスの地震を伴う可能性が高いとして、常時監視対象になっている。

火山が噴火するメカニズム解明は、この100年で大きく前進し、ある程度の時期と規模が予想できるようになったが、それでも確実ではなく、警戒警報の間は、いつ避難命令が出ても良いように備えておく必要がある。

平成元年から約7年間も続いた雲仙普賢岳一帯の噴火の際には、形成された溶岩ドームで小康状態だと判断した取材陣が、禁止区域に無断で立ち入り、民家の電源を勝手に使うなどした為、それを警戒するために出動した警官や消防団員、取材陣を乗せてきたタクシー運転手らを含む43名が、火砕流によって命を落とした。
火砕流の範囲は、立ち入り禁止区域内で留まったため、マスコミの無謀な行動が、多くの貴重な命を巻き込む形になった。
火砕流の速度は、溶岩流の構成にもよるが、この天災とも人災ともとれる事故の場合は、奇跡的に修復された映像から、およそ時速100kmと推測された。

人は、天災を防ぐことはできず、ただ逃れることしか出来ないが、危機意識と専門知識の欠如した行動が、死亡率を跳ね上げる、ということは肝に銘じておくべきだろう。

学ぶ気がないのなら、専門家の見解や避難誘導には素直に従うべきだし、災難が過ぎ去るまで黙って頭を抱え込んでおくのが正解だ。

最も、去年の東日本大震災の時には、小学校の避難誘導で、一度グラウンドで点呼をした為に、多くの児童や教諭が逃げ遅れて津波で命を落とした。
隣接する中学校の生徒は、教師の誘導を聞かず、昔から言われていた通りに、一目散に高台を目指したので、ほとんどが生き残れた、という皮肉なケースもある。
中には、弟を救うために、小学校に寄り、抱えるようにして逃げた御蔭で、一命を取り留めた話もある。

多くの場合、九死に一生を得た人は、咄嗟の判断力に恵まれたか、昔の話を思い出して行動したので助かった、という話をよく聞く。

災害大国でもある日本で、全てのケースに対応した防衛策は難しいが、古きを知り、土地を知り、普段から物心共に備えていれば、生存率は格段に上がる。
死者に学ぶ、という心がけは決して無駄ではない。


この間、メッセで話していた時に、「どうも肌がピリピリする」と、漠然とした不安を聞いたのだが、確かにここ数年来の世界は、何かがおかしい、と感じる人も多いだろう。
気候変動、太陽活動、マントル流の活発化、断層の大きな移動、数え上げればキリがない。
浜辺に深海魚の大群やクジラ・イルカが打ち上げられたり、異常な頻度でトルネードや火山活動・微震が起こる。

人類は、かなりのラッキーに守られて生存を許されてきたが、そろそろツケを払う時期が近いのかもしれない。


私は、別にどうでもいいが、幸せで平和な生活を望む人や子供たちの未来を想うと、できる限りこの奇跡的な均衡が続いて欲しいと、と切に願う。