何がジェーンに起こったか?

今週のお題「人に薦めたい映画」
1962年製作のサスペンス映画で、ベティとジョーンという2大女優の演技合戦も然ることながら、演出・音楽・カメラワークと文句の付けようがない傑作。

子役時代からタレントの仕事をしていた姉妹【ジェーンとブランチ】は、ベイビー・ジェーンの愛称で大人気となるが、成長するに連れて評価が逆転し、ブランチが事故で引退してからは、その原因となったジェーンが世話をしながら暮らしていた。

精神の均衡を失っていくジェーンは、次第に狂気に蝕まれ、姉妹の愛想劇は意外なラストを迎える・・・。


映画ファンとして、様々な映画を観てきた中で、何度も観たくなる作品としては、これがNo.1だ。
初見で面白い作品は多いが、数年おきにでも2度3度と観直す作品は、数える程しかない。

私は、ジョン・カーペンター監督のファンだが、観るたびに印象が違うということはないし、内容について別視点を得ることもない。

この映画の凄いところは、鬼気迫る演技合戦を楽しみながら、全く違う視点でも楽しめるという多重構造にある。
これは、脚本を超えた演技が生み出した奇跡であり、この時代に2大女優が共演しなければ、絶対に生まれなかった結晶でもある。

もし、この作品を観て興味を持たれたのなら、ベティ・デイヴィスジョーン・クロフォードという女優を知ってもらいたい。
彼女たちの女優人生そのものが、どんな映画よりも素晴らしい物語を魅せてくれるからだ。