日本人の底力

ステイツに滞在していた頃に、部屋を提供してくれていたジョンに、満面の笑みで褒められたことがある。
【貸す前より、キレイになっている】
更に、台所やトイレまで掃除していたので、感動の域まで達していたらしい。

基本的に、欧米人は物を置くのが好きである。
良く言えばインテリアが好きで、悪く言えばゴチャゴチャ。
必要があれば動くが、特に問題がなければ片付けない。

私は、インテリアが居住スペースを豊かにするというのは賛成だが、片付いていなかったり、ホコリを被っているのは我慢できない。
単にそういう性根で生きているだけだが、土地や人柄によっては、こういう行動が清潔で真面目に映るようだ。

そして、日本人は偉い、と言われる。
人付き合いが謙虚で、約束を守り、マナーが優れている、と。
日本では当然の行動でも、世界ではとても優秀なのだ。

とはいえ、昭和の頃と比べれば、随分と緩くなったものだと感じるが、それでも優秀な方だろう。

私は、何処であろうと同じ信念で動くので、郷に入れば郷に従わない。
向こうでも、気に食わなければ従わないし、癇に障れば怒る。
私が怒るというのは、非常に珍しいので、相手にしてみれば、余程のことをしてしまったのか、と狼狽する。

謙虚で真面目な日本人が怒るということは、外国人にとっては恐ろしいのだ。
心の強さというものを東洋の島国の人間は持っている。
かつて世界を相手に戦争を起こし、大東亜共栄圏の成立を目指した国である。
この国を止めるには、原爆2個という徹底した壊滅戦を展開するしかなかった、と米国は言う。

そして、壊滅的な戦後からでも、恐ろしい速さで、世界の経済大国に成長してみせた。
方向性が定まれば、目的に向かって一丸になる国民性と技術を持つ国は、世界でも珍しかろう。

しかも、福祉・教育も成長させて、多様さを持ちながら、である。
この辺が、一党支配で独裁制度の恐怖で成長する中国とは、決定的に違う点である。

この国は、強い。
そして、その強さは国民一人一人が持つ力であることを自覚すべきだ。
何処へ向かって【束ねる】かが、問われている。