現金主義

アベノミクスの影響で、現金の価値が下がるのがインフレだというのは、別に経済通を気取っていなくても、誰でも知っている。

では、現実にどういうダメージがあるのかというと、私には深刻な問題だ。
現金の貯蓄が、例えば500万円だとして、消費税が+3%で15万円が消える。

  1. 5%なら、25万円が何もしなくても消える。

物価が2%上昇すれば、更に10万円が税金になる。
500万円あったはずの金が、465万円の価値しかない、ということになってしまう。

無収入で、貯蓄のみで暮らすスタイルでは、じっとしていても、どんどん蓄えが減っていく時代に突入するということだ。
これは、年金生活者も同じで、入りは同じなのに出は増える。

私は、クレジットカードやローンを無駄なシステムだと思っているので、何でも現金で買い付ける。
現金なら値引きも交渉できるし、目に見える金というのは、それ自体がパワーである。
人を説得する際に、まず50万円を置き、時間の経過とともに、少しずつ減らす。
増えると思っていた相手は慌てて、早く売らなければ損だと考え、結果として値引きをしたとは思わない。
よくある思考実験だが、天井が見えない増加と、底が見える低下では、どちらがよりリアルに感じるかは言うまでもない。

正に、この状態に国が私を交渉しているのだが、それに対する策を考えねばならぬ。

簡単に言うと、入りを確立すればいい。
損をするなら、この35万円を投資して、少なくともこれ以上の儲けを出すしかない。
バイヤー時代の勘と経験が、どのぐらい錆び付いていないか、が問題だ。

生活防衛は、自分人生の防衛でもある。
より敵を知り、まず自分を知り、最適な策を弄する。
補給のない篭城戦など、考えただけでゾッとするではないか。