オキナワ

昨日の件だが、一晩寝たら落ち着いた。
だが、クレームは続ける。

ところで、沖縄の米軍基地移設問題で、辺野古への移転が現実味を帯びてきた。
実現すれば、南部の基地が閉鎖・移転することになり、住宅密集地の基地が少なくなるだろう。

ここで、2つの視点がぶつかっている。
当然だが、基地負担という重荷には、国の優遇措置が付いてくる。
嫌われようとも、基地の人間が落とす金は、商店街・飲食店の収入として大きい。
要は、金が入るドル箱が、米軍基地だ。

もう一つは、住宅環境・自然環境の保全を名目に、基地を排除したいというもの。
これには、生活圏に基地があることへの不都合や危険があり、米兵の事件も拍車をかけている。

金VS安全。
辺野古は、これといった産業もなく、沖縄でも特に貧しい地域だ。
漁業収入は生活の糧にはなるが、生活水準は低い。
そこに米軍基地が来れば、多額の迷惑料が入るし、商業施設も生まれ、経済的にも財源が得られる。

一方で、辺野古の自然環境を好んでいる人にとっては、金より環境であり、1代限りの保障よりも100代の自然という意見ももっともな話だ。

こういう話を聞くと、原発誘致と同じだな、と感じる。
僻地で産業がない地方に誘致し、金と引き換えに国益と危険を売りつける手法だ。
豊かな人は反対するが、圧倒的な貧者は受け入れる。
結果として、どんな危険や環境破壊が起ころうと、金を受け取っていただろう、という理屈で封殺される。

今回も、辺野古が戦争時に標的になる危険は跳ね上がるし、貴重な珊瑚礁も破壊される。
ただ、自然科学者やネイチャリスト以外の地元民からすれば、別に貴重でもなく、見飽きた風景に過ぎない。
それより、金だ、という意見を止めることは難しかろう。
両立が不可能な以上、自然は破壊され、危険度は上がる。

正直、辺野古の自然が貴重だとしても、わざわざ遠出をしてまで見に行く気にはならないし、観光として目玉があるわけでもない。
それよりは、米兵相手に商売でもする方が、将来的にも有益だろう。

この世は金というルールで動いている。
古里から失う自然と引き換えなのだから、とことん高値で売りつけてやっても罰は当たらない。
それだけ、自然も貴重なのだから。