あの日の顔

今日も今日とて、スーパー内のマックで、アイスコーヒーを啜りながら涼んでいた。

ふと、何とはなしに乳児を抱いた父親が、母親の後ろをついて廻るのが目に入った。
何回か、席から見えていたのだが、奥方がご機嫌斜めのようで、無視されながら追いかけているようだ。

ぼんやり見ていると、会計を通り、袋詰めをする頃には、二人で会話をしていたので、奥方も機嫌が直ったのだろう。
父親の困ったような安堵したような顔を見ていたら、自分も子供がいる頃は同じような顔をしていたのだろうか、と思った。

夫の顔、父親の顔、色んな顔を持っていたはずの私は、今では孤独だけの顔をしている。