段取りを踏む大切さ

この病に罹ってから、前にもまして段取りを重視するようになった。
難しい事をしている分けでは無い。
調理法や掃除、外出日の予定、通販の受注日、薬の整理、と日常的に行なう行動に全て準備をしておくだけだ。

昔から、夏休みの宿題は先に済ませたり、明日の準備は前の晩に、と先に出来る事はやっておく主義だったが、それが日常生活においても必要になった。
うっかり、は自分を責める理由になってしまうし、外出の後で鍵は掛けたか、火事の心配はないか、と不安になるのも困る。
薬のせいで、注意力や瞬間記憶が鈍っているので、確実に片付けるには段取りと記録が重要になる。

そのために、携帯用のメモ帳とクズ紙の裏への書き込み、カレンダーの記入は必須である。
私の側には、必ず筆記用具と紙が置いてある。
他人から見たら、そこまで書かなくても、と言われそうな種々細々とした走り書きだらけ。
PCにも、家計簿、献立表、通販先のIDやパス、冷蔵庫の中身までファイルにして更新している。
脅迫症ではないのだが、自分の頭が信用できない以上、記録することでカバーするしかないのが現状だ。

一人暮らしには慣れているので、料理から家事全般まで、平均以上の能力は身に付けているのだが、それでも洗濯機を回したまま干すのを忘れていたり、賞味期限切れで食品を無駄にすることもある。
普通の人でもやるかもしれないが、どうしてもミスが許せない性分なのである。
それに家計的にも、決して楽ではないので、無駄なコストは出来る限り抑えたい。
必要な物や光熱費などは優先的に払うが、ミスで余計な出費や二度手間になるのはご免だ。
薬の二重飲みも数が不足したり健康にも良くないので、必ず分封して飲んだらすぐに記録する。

これだけ注意をしていても、皿を割ることもあるし、湯飲みを引っくり返したり、タバコの火で絨毯に穴を空けたりする。

やるだけやっても失敗するのなら、と高級品の食器セットは使わずにパン祭りや景品で入手した皿やコップを使っている。
今日も、洗い物をしていて、皿が一枚宙に飛んで砕けてしまった。
ロイヤルじゃなくて良かった、と思いながら片付ける自分の背中は、誰が見てもしょぼくれていると思う。