スイッチ

今日は、曇天だったが、風もなく静かな一日だった。

相変わらず、0時に就寝してから2度の中途覚醒を経て、5時に起き上がった。
レム・ノンレム睡眠パターンで、眠りが浅くなった辺りで、必ず目覚めていることになる。
夢見も良くないので、寝た気がしない。

とりあえず顔を洗い、早朝のベランダに出てみると、外気が冷たくて、気分が少し良くなった。

薄曇りの空は、日中に雲が厚くなり、洗濯も布団干しも出来ないので、2枚ほど映画を鑑賞したが、途中で1時間ほど眠っていた。
そのぐらい面白くない作品だったのだが、仕方なく見逃した部分をサーチしても、どこらへんで寝たのか分からないぐらい記憶に残らない作品で困った。
こいつが生きてるから、もう少し先だなぁ、という感じで観終わったが、ライナーノートに記すまでもなく駄作であった。

気分直しに洗顔して、ヒゲを揃えていると、目が充血しているのに気がついた。
うっすらとクマのような影もあり、いよいよ寝不足だな、と感じた・・・。

夕方に窓の外が明るくなったので、おや?と思ったら、薄曇りの空が夕焼けで絶妙な色合いになっている。
5色が同時に現れたような、不思議な色の変化を眺めていると、そういえば夕焼けの光の波長はレイリー散乱で説明できるが、雲の厚みや切れ間のせいで、こんなにも複雑になっているのか、と呆然とした。
光の芸術は、やがて黄から橙に塗りつぶされ、暗くなるまで見続けていた。
そして、色の影響で、気分が落ち着いていることに感謝した。

朝に外気を吸うのも、顔を洗うのも、夕日を眺めるのも、脳のスイッチになるそうだ。
先天的なものではなく、人間が色から与えられるイメージや敏感な顔面神経への刺激で、気分を切り替える作用があるという。
私は、ほとんど外出せずに生活をしているが、こういう何気ない行動に意味があるのだから、積極的に取り入れてみよう、と決めた。
目覚めが早いのなら、朝の新鮮な大気を味わってやれ、というわけだ。

気分の変調に悩まされながら、こういう事に気づくということは、無意識の内に体や脳が欲している物を求めて行動していたのかもしれない。

新しいリズムを得て、断薬の後遺症から抜けるためにも、思いついたことは何でもやってみることにする。
余り気力のストックは無いのだが、動けるうちは有効に使うとしよう。