穏やかな幕間と狂騒劇

ようやくジプレキサの効用が安定したのか、睡眠の質と時間が向上した。
合う合わないは、体質の問題だが、私には必要な薬だったようだ。
昨日も軽い躁状態と書いたが、こういう表現が出来るのは、大変に珍しいことなので、無理せず今の状態を保っていきたい。


実は、先月に某団体からデータの提供を要求されていた。
体調も精神も不安定だったので、その時はお断りしたのだが、事態の悪化を見越して、もう一度お願いされたので、稚拙ながらレポートを提供することにした。
私は、半年ほど前に原発事故についての提言書を実名で発表したのだが、冷徹な結論に終始するしかない内容にも関わらず、時間の経過と共に同調して下さる人が増え、良い方向に変えたいと願う方達の参考になるのなら、と申し出をお受けした。

あくまで参考意見であって、必ずしも全てが合致しているわけではないが、完璧に事態を見通すことが出来るのならば、私はとうにこの国に絶望して自殺している。
それほど深刻な内容なのだが、私は個人として情報の収集・分析をしただけなので、今回は匿名での提供とさせて貰った。
あらゆる団体・機関に属さないのがポリシーであるし、博士でも研究者でも無い立場の人間なのだから、これが精一杯だと思う。
文責から逃れたいわけではなく、この場合は在野の意見として使って欲しいので、あえて実名表記は避けた。
行動するには、ある程度の肩書きがある人物の組織の方が上手くやれるだろう、とも思ったからだ。

すでにステイツの友人には、私のデータは提供してあり、謝礼としてディスクを100枚ほど頂いたので、ゴシップ紙だろうが、民間団体だろうが、どう使われていても構わない。
むしろ、前向きに否定され、より良い方針が生まれるのなら、その方が私は嬉しい。
ただ、私の肌感覚では、日本よりも深刻に事態を受け止めているのはステイツ側であるし、情報の精度も調査力も遥かに上だと感じる。
寝ぼけた発表ばかり繰り返す政府のバカチン閣僚より、在野の個人の方が情報を把握している場合があるとすれば、今回の問題はその最たるものだと言える。


自分が産まれ育った国を否定する分けではないが、今回の件で益々厭世観が強まったのは事実だ。
本当に、この国はどうしてこうなってしまったのだろう・・・。

一説には、50年以上は掛かるという放射能汚染問題に、最悪のシナオリで日本が破綻するとしても、私は一緒に沈んでも構わない年齢だ。
気の毒なのは、汚染地域の住人と子供たちの事だけ。
国(東電)の対応や賠償が当てにできないとしたら、彼らは自分たちの身を自ら守り生きなければならない。
過酷な試練もあったものだ。


今日の雨は、静かに軒を流れている。
悪循環を断ち切る光明は、何処かの誰かに任せるとして、とりあえず私は、思い出と共に世間を眺める生活を続けていきそうだ。