血圧と血糖値

病院のない週は、訪問看護センターから、看護師が家に来る。
適当に話をして、血圧を図るだけなのだが、見事に正常な数値しか出ない。
糖分を摂取しない生活をしていたので、低血糖で倒れたことはあるが、いわゆる成人病の類とは無縁のおっさんなのである。

高脂質、高タンパク、糖分、塩分、は献立表を確認して、調理をしているので、まず摂りすぎることはない。
基本的に料理に砂糖は使わないので、逆に金平糖や和三盆の干菓子、小分けのチョコ等を冷蔵庫に置いておき、疲れが出たら何個か口に放り込むことにしている。
先日のシュークリームは特例の範囲だが、美味しい甘さなら別に食べないわけではない。
辛党だからといって、ただ辛いだけの料理など食べたくもない。
味覚のユニゾンというか、ハーモニーが調和していない激辛・激甘など、ただの毒でしかないと思う。

日に1食程度な生活を二十年以上している上に、量も小食なので、嫌が応でも食への拘りは高まる。
美食家ではないが、単調な味や品数の少ない食卓は避けたいので、味を楽しめる食事を心がけている。

それを解決するのが、献立予定表だ。
この習慣は、よほど鬱が深い時以外は続けている。
主菜よりも、納豆や冷奴などの副菜をどうローテーションするか、野菜を多めに摂るにはどんな調理法が良いか、を一週間単位で先に決めていく。
デザートは、不足しがちなビタミンや鉄分・カルシウムを含んだ物を添えるようにしている。
生協の注文は、一週間先の分なので、予算とメニューと栄養を考える時間は十分にあるというわけだ。

酒は、酒豪と揶揄されるほど量も呑んでいたし、二日酔いの経験がないぐらい強かったが、隠居生活と共に一人酒の虚しさを痛感し、キッパリと止めてしまった。
チーズを齧っていると、キンキンに冷やした白が欲しくなるが、別に紅茶や烏龍茶でも構わない。

こういうわけで、脳以外の部分は、これまで検査しても、何の問題も起きていない。
血糖値だけ意識していれば、ほぼ健康体といえる。


まぁ、最近の素材が本当に安全・安心かと言えば、どこまで信じて良いのか怪しいものだが、気にしすぎれば不安になるし、何より健康を謳い文句にしている食材は値段が高い。
無農薬・有機栽培のジレンマで、実は化学肥料を適量に使う方が、栄養的にも健康的にも良い食材になる、というのは常識なのだが・・・。

さて、適当に妥協して食材を取り寄せ、栄養を損なわない調理法を用い、味と食感を楽しむのは、何処か科学の実験に似ている。
キッチンにビーカーやメスシリンダーがあっても、別におかしくない。
それに代わる計量器具を使っているだけの話だ。


一杯の椀に盛られる料理には、私の創意と気力と楽しさが込められている。