迷いインコ

通販サイトを廻りながら、ウィンドウショッピングならぬモニターショッピングをしていると、何処かでピルピルという声が聞こえてきた。
ん?と思ったが、気にせずに続けていると、またピルピル・・・。
それも、比較的近い場所から聞こえてくる。
視線を巡らせると、ベランダの手すりに、鳥の影が見えた。

うちは、すだれをしているので、ハッキリとは分からないが、明らかにスズメや他の野鳥とは違うシルエット。
鳴き声も可愛らしい。
そっと見に行くと、青いインコがいた。

うちは、高層階なので、インコが飛んでくるとは考え難いのだが、実際にいるものは仕方が無い。
飛べるということは、風切り羽があるのだろう。
そっと網戸をずらして、隣の部屋に戻って様子を見ることにした。

しばらくして、部屋内に飛び込んだインコは、ちょこちょこと移動しながら鳴いている。
さて、呼び込んだまではいいものの、どうしたものかと考える。
インテリア用の鳥かごはあるが、あくまでアンティークなので、実際に鳥を飼うようには出来ていない。
とりあえず、人馴れしているので、簡単に捕獲して、間に合せにこの籠に入れてみた。
割り箸を横から通して、止まり木を作り、ゼリーのカップに水を入れ、食べるのか知らないがレタスと小松菜を入れてみる。

う〜ん、可愛いのは可愛いのだが、近所で飼われていたものだろうし、このままでいい気もしない。
張り紙でもしてみるかな・・・と思いながら、外出恐怖症の自分が、他人との接点を作るのに抵抗を覚える。
外に放したら、買い主の所に戻るものか?とも考えたが、伝書鳩じゃあるまいし、野垂れ死にするだけだろう。

インコに関しては無知なので、検索で情報を集めて、しばらく家に置いてやることにした。
突然の珍客に軒を貸す結果になったのだが、鳥など食用以外で飼ったことが無いので、いささか不安でもある。

ふむ、ピルピルという鳴き声を聞きながら、こういう事態の解決策を考え、思案にくれている。