ようやく

ネットTVのポイント消化が、ようやく終わった。
普段は、決して観ないジャンルで、新発見もあったので、まずは良しと言ったところだ。

【ステキな金縛り】
三谷幸喜作品は、舞台劇のような構図と会話劇が主なので、俳優の演技が大切だ。
邦画に決定的に欠けている役者の魅力を引き出すことにかけて、成功している稀有な監督である。
本作も、西田敏行を始めとして、実に味のある役者と不条理な設定を面白おかしく描くことに成功している。
この作品を見終わって、本当に死後の世界や霊がこうならば、死を恐れることもないのに、と苦笑した。

【告白】
湊かなえ原作のサスペンス映画。
13歳という不安定な少年・少女の世界を表現し、復讐を仕掛ける女教師の不気味な存在感を見事に結実させている。
少年法に守られた子供の罪を暴くのではなく、徹底的に追い詰めることで、本当の悪とは何か、生命の価値は?というアバウトな問題をスリリングに扱っている。
実在の事件を色々と取り込んでいるので、作品としてはやや反則気味だが、オリジナル要素も盛り込まれているので、大きな破綻もなく物語は完成している。
良作だが、観た人によって、賛否が分かれる作品だろう。
私は、【可】だと思う。

【サイレン〜FORBIDDEN SIREN〜】
ヒットゲーム【サイレン2】の邦画作品。
いつ面白くなるのか、と伏線を拾いながら眺めていたが、何も回収されないまま、ヒロインの妄想で終わったので、どっぷりと疲れた。
全てにおいて自主制作レベルであり、全く怖くない。
邦画の悪い面が全て出尽くしたような、どうしようもない作品。
この監督は、これで何を描きたかったのか、メガホンを取ったからには、責任者として教えてもらいたいものだ。


洋画で観る物が無くなったので、邦画を何作か視聴したが、上の3本が比較対象になると思ったので記載。
基本、邦画を観るのは時間の無駄としか思えないのだが、今回のポイント消化で8作ほど観た。
コメディ・サスペンス・ホラーというテーマだが、感想は上記の通りで、他には【おくりびと】【悪夢探偵】【探偵はBARにいる】が中々良かった。

邦画を否定するわけではないが、演技の出来ない芸能人の起用、散文的なシナリオ、特殊技術の下手さ、監督の自己満足、等が多すぎて、視聴に耐える作品が少なすぎる。

今回、ポイント消化で、ある程度評価の高い作品を観て、少し気持ちが変化したが、それでも劇場に足を運んだり、買うほどの魅力は感じられない。

アジア映画なら、タイや韓国の作品の方が、まだ当りが多い。
インド映画は意味不明な物が多いが、新鮮な絵や荒唐無稽ながらインパクトの強い作品がある分、娯楽として楽しめる。

閉塞した邦画界に、まともな奇才が現れるのを期待する、