傍観者

原発問題に関しては、以前に調査済みということで、筆を置いた。
私が仲立ちした放射能用の防護テントは、すでに某地区の方々に橋渡しを終え、その後のメールで、やはり放射能汚染値が高いことが確認できた。
今のところ、自分の結論を変えるべき問題は無い。

さて、原発ゼロの短い安全は、どうやら終りを告げるようだ。
関西電力が所有する福井県大飯原発3号機が、7月から再稼働するからだ。
何の結論も方針も示せず、安全管理も十分ではない状態での再稼働など、とても正気の沙汰とは思えないが、とにかく政府と企業は原発利権の魅力が捨てきれなかったとみえる。

これで、再稼働中に事故や天災が起きたら、もう空いた口が塞がらないことになるが、そうなっても、また誰も責任を取らずに国民だけが苦しむ結果になるだろう。

ステイツなら、東電は解体され、一部国有化で、経営陣は巨額の賠償に追い回されるのは間違いない。
日本が甘い、国民が日和見すぎて、政府と同じレベルで時間が経てば何とかなる、と考えている。

そんな中、警察は1万1千人、主催者は4万人と口唱する抗議デモが首相官邸前で行われた。
数が違いすぎるのは、恐らく実数と計測時のピークで、かなり差があったせいで、故意に少なく発表して事態を軽くしようというわけではないと思いたい。
そんなことをすれば、今度は警察が国民の信用を失う。

実は、各地で署名活動や条例の改正を叫んでいる人たちは、万単位で行動しているのだが、今のところ、全て自治体で否決もしくは無視されている。
マスコミも当然のように大手スポンサーである電力会社のご機嫌を伺うので、否定的なニュースではないが、あえて無視することで肩を持っている。

誰が考えても、不十分な時期に、終息宣言を出す総理の国である。
国民主権など、どこ吹く風で、政府と企業がやりたい放題に危ない方向へと勝手に決めているのが実情だ。

自民や公明にしても、今の時期に政権を交代しても困るわけで、関係のない条例や法案を通してお茶を濁している。
とっくに国民から見放されている政府であっても、交代しない限りは日本の中枢である。
その中枢が、国民の声に耳を塞ぎ、自分たちのやりたい様にやっているのだから、国が衰退しないわけがない。

もう、この国は立ち上がれないぐらいのダメージを受けないと、再生も復興も本腰を入れないだろう。
そして、その頃には、老人の国になっているので、何処からも活力が出てこない。
移民制度を導入開始すれば労働力は確保できるが、治安はステイツ以下になり、生ぬるい日本の警察に安全を託すのは無理な気がする。
どう転んでも、暗い未来しかない予想できないが、どうせ暗いなら、少しでも光が見える道を選ぶべきだ。
少なくとも、今の時期に原発の再稼働は無いんじゃないか、と呆れてしまう。

私は、民主党政権が、一体何を目指し、何処に向かっているのか、さっぱり分からない。
次の政権を担う党が現れないぐらい、徹底的に日本を潰したいのだろうか?


隠居部屋から見る世間は、とても暗く、失望感に満ちている。
トップは明確な目標を持たず、高い失業率と、国や政府に失望しながら、背を丸めて下を向いて動いているようにしか見えない。
まぁ、隠居の身分で、いい気なもんだ、と我ながら思うが、後10年や20年は、この生活が続けられるだけの環境をゼロから作ったのだから、ご容赦願いたい。

戦後から復興して、一時は先進国でもトップクラスの活力があった我が国も、そろそろ大胆な改革が必要なようだ。
国民の声を聞かない政府というだけで、すでに【民主】の文字を掲げる資格は無い。

さて、ここから国民はどう動き、政府や企業は何をしでかすのか、傍観者の目で眺めるとしよう。