まぁ、この程度の話

関西電力所有の大飯原発3号機が再稼働したことで、原発ゼロも56日で終わった。

夏の電力需要に対して、何処かが再稼働するだろうとは思っていたが、さしたる説明も、住民の納得もないまま、半ば強行姿勢での実行になった。
これで、何万人がデモや抗議行動をしても、この国の権力者や大企業には通用しない、ということが分かって貰えたと思う。

穏やかに、真綿で首を絞めるのが、この国のやり方であり、見えない、聞こえない、知らない、で通すのが、当然のように罷り通ってしまう。

大飯町長の姿勢も避難されているが、あれは上からの指図で形ばかりの議会通過を指図されただけの、操り人形にも劣る木人形なので、相手にするだけ馬鹿馬鹿しい。

何も起こらないことを前提にした空手形が切られたわけで、これに続いて他の原発も再稼働を始めれば、切った手形分のツケが、また国民の危険へと繋がる。
万が一にでも事故が起こった場合は、不作為・過失に関わらず役員一同の資産を返上し腹を切ります、ぐらいの覚悟表明でもすれば少しはましだが、元より責任の所在など究明する気はあるまい。

ついでに大飯町は、所謂原発村の一つで、誘致により多大な謝礼を受け続けている自治体であり、今回の件でも何らかの取引があったのは疑いようがない、とつけ加えておく。

関西電力管内の住民は、複雑な心境だと思うが、計画停電を免れたことと原発の再稼働を天秤に掛けて、どうあるべきだったかを考えてみてほしい。
そして、夏のピークを過ぎたら、再び停止させる運動に署名でいいから参加して、意思表示をお願いしたい。
無論、原発再稼働派の方は、それでも構わない。

ここは、気がつかなければ、自由が守られていると思わせる幻想の国だ。
将来よりも、今の便利さを選び、子供たちより、自分たちの保身に走ったのだから、繁栄の未来など望みようもない。

どうして、こう悪い方の予想にばかり、この国は流れてしまうのか、ため息ばかりだ。