新聞

今日、新聞の勧誘が来た。
いつもなら、取り付く島も与えずに断りを入れるのだが、どうも声が若いので応対に出てみた。

まだ若い高校球児のような少年(?)で、年齢を聞くと18。
道理で声が若いはずだが、真っ黒に日焼けした顔に懐かしさを覚えて、出身地を聞くと私の地元に近く、まだこちらに出てきたばかりだという。
確か、未成年は出来ない仕事のはずなので、それを尋ねると、その法律は聞いているけれど、経験のために外回りに出されたとか。

まぁ、黙っていれば済む話である。
応じて答えてしまうところが、まだ若いということなのだが、近所を200件近く回って、まだ1件しか契約が取れていないと聞くと、私のような人間でも、何だか応援したくなってしまう。
しばし話を聞いて、特に嘘もないというか、正直すぎるので、思わず苦笑してしまい、三ヶ月だけなら契約をしてもいいと伝えた。

但し、新聞への興味というより、君に少しだけエールを贈るものだから、これ一回きりだよ、と言うと、何度もお辞儀をされて、こそばゆくなってしまった。

話の仕方も契約書の取り扱いも、心配なほど不器用なので、これから一人で生きていけるのかな、と少し老婆心が起きた。

とりあえず、思いがけず新聞などと言うものを取ることになったわけだが、どう活用しようか思案している。
買うからには、活かさないと勿体無いではないか。

ちなみに、1時間ほど後で、成人した訪問員が来て、内容を確認していったので、どうやらそういう仕組みになっているらしい。
酒は飲まないと言ったら、1年分ぐらいの液体石鹸を置いていったのにも苦笑するしかなかった。
普段なら迷惑なだけの勧誘だが、こんな相手なら無下には断れないなぁ。