切り捨てるもの、残すもの

かつて、小泉首相の時代に、痛みを伴う政治改革として、切り捨てられた側の人達は、今でも憎しみを持って批判する。

現在、橋下市長は党首を兼任しながら、任期満了まで職を全うするという趣旨の発言をした。
前にも書いたが、市長の任期を全うするというのは、これからのためにも重要なことで、そうでなければ大阪人の支援は受けられない。

【独裁】と言い切った橋下氏の言動は、大胆な改革と清廉潔白で分かり易い政治への決意であり、言葉そのままに【暴君】と受け取る人は少し考えが足りない。
これぐらいの強さがなければ、腐敗の極にあった大阪の改善など出来るわけがないからだ。

もちろん、橋下改革については、それまで受けられたサービスが切られた自治体や粛清で糾弾された役人も大勢いる。
後者は、役人であるからには当然の事であって、刺青検査に反対して免職を言い渡されたからといって、文句を言う筋合いではなく、提訴するなど只の甘えである。
本当のことを買いて提出した勇気ある役人へそを曲げた小役人を同列に扱えるわけがないではないか。
そんなことも理解できないから、小役人は腐敗していると文句を言われるのだ。

第一、正当な言い分があるのなら、開かれた政治を実行している市長に、直接意見状を突きつけて、論破すればよい。
橋下氏以上に大阪のためになる意見ならば、彼は素直に聞き入れるだけの度量は持っている男だ。
個人の狭量なプライドや主張が出発点では、橋下氏でなくとも誰も聞いてはくれない。

赤字財政を改めるため、様々な公共サービスが打ち切られたが、市民の利用率をみれば、見直されても納得できる。
閑職に甘んじて、税金を食いつぶしていた施設や職員など、切り捨てられても仕方がない。

誰にとっても万全な社会など存在しない以上、無駄な施設と人員は整理し、職務を全うしない役人を首にするのは、民間企業ならば当たり前のことだ。
親方日の丸だけが、経営論の例外だと思っていては、それこそ納税者への冒涜である。

私は、別に橋下氏の後援会でも、特別に彼を好いているわけでもないが、2回ほど対面した時に、間違いなく国政に出る男だと感じたのは認める。
頭の回転が早く、情勢を読む力に長けている、この2点だけでも凡百な政治屋にはない才能だし、後は言動だけでは動かせない国会という伏魔殿で活躍する術と経験を身に付けていけば、そう遠くない将来【首相】の道も開けてくるだろう。

その手腕を見る意味でも、まずは市長として大阪市ぐらいは切り盛りしてみせて貰いたい。