世代

中国は、反日教育を推進した現在の2〜30代が、過酷な競争社会で鬱屈したものを反日デモで吐き出している。
何を詰め込まれたのか知らないが、随分と暴力的な愛国思想である。

日本では、ゆとり教育という競争原理を無視した最悪の教育政策で成長した世代が、同世代に成長した。

高齢社会の深刻化への第一歩として、団塊世代1年生が65歳に達し、総数で3,000万人に達した。


強い日本を作るために、過酷な詰め込み教育が行われ、結果として経済成長を牽引し、世界有数の経済国家になった時、【落ちこぼれ】と呼ばれた敗者の憤懣は深く、バブルが弾けた後から、自殺者が急増したのは皮肉な結果だった。

国民性として、敗者はセカンドチャンスを期待せず、惨めな思いをして生きるよりは、いっそ自決する方を選ぶというのは、潔いのかはともかく理解出来る。

そんな過酷な時代を生きた団塊世代も、65歳ということで、年金と貯蓄の切り崩しで、これから高齢者として生きていくことになる。
第一次だけをみても、3年間で805万人が産まれた世代なので、日本の高齢者比率は20%を超え、更に割合が増える。

この世界一の高齢社会を支えるのは、ゆとり教育と呼ばれる政策の犠牲者世代で、一般的に競争に弱く、精神的に未熟と言われる若者たちだ。
ハングリーで無い反面キレやすく、充分な教育を受けていないので、所作礼節に疎く、他人との協調性に欠け、消費にも消極的なので、サイレント・テロリストとも呼ばれる。
結婚に積極的ではないので、女性にモテる車・衣服・外食・家などに金を使わず、自分の趣味にのみ浪費し、貯蓄を好むので、内需の観点では困る性向だ。
これから消費税が上がっていくので、更に出費を抑え、稼ぐよりも使わないことに気を遣うだろう。

老人の国である日本では、高齢者に関する問題も多く、下の世代に大きな負担として伸し掛る。
こうなると、働いても税金で取られ、給料は上がらず、どこを見ても活力がない社会に、夢も希望も感じない若者が増加するのは間違いない。
若年から青年の自殺も無視出来ない数だが、これから更に増え続けるのではないか、と思うと背筋が冷える。

反面、高度な教育を受け、能力を開花させた人材は、住みづらい母国を捨て、益々海外への流出が加速する。

私にしても、子供には英語力を身につけて欲しいし、世界に出ていけるだけの能力を磨いて欲しいと切に願う。
窮屈で、衰退していく母国に殉じる必要はないし、世界には未来を感じる素晴らしい国家が多く存在するのだから、好きな所に住めば良いのである。

枳棘は鸞鳳の棲む所に非ず

日本が、枳棘に甘んじなければ、鸞鳳も飛び立たないのだが。