オカルト

今年で世界が終わる、とかなり聞いてきた気がする。

マヤ歴の最後の年だから(書くスペースが無かった)、太陽活動の極大期(1957年も同様だが何もなかった)、フォトンベルト(支持する天文学理論無し)、惑星ニビルの接近(神話)、様々なアナグラムによる滅亡説(どうにでもコジ付けはできる)というわけで、1999年のノストラダムス関連のブームと同じで、こういう騒ぎで儲ける人間がいる限り、次々と珍説が飛び出すのは仕方がないことだろう。

それより、人類滅亡なら分かるが、地球滅亡となると、かなりの異変が起こらなければならない。
人間は、体温の±5度の変化で命の危険に陥り、ウイルス、核汚染、水質の汚濁、大気の変化でも、簡単に死滅する。
種としては脆弱な部類であり、知恵があるから強いというのは自然が安定しているから言えることで、奇跡的な幸運に恵まれて阿呆のように増えているだけにすぎない。

2012年に人類が死滅するという根拠は希薄で、別に来年でも10年後でも予測するだけなら、何時だって構わない。
問題は、絶滅に至る原因と経緯であって、それを回避する対処法を語り合う方が、遥かに建設的だ。

世を騒がせて面白がり、神秘主義者に崇められて喜ぶ程度の満足を得たいというなら、余りにも小物だ。

まぁ、たまには人類が滅亡するかも、という話題で、それなりに人類社会の在り方をマイナスな気分で眺めるのも娯楽としてはアリだが、思考実験としては滅亡贔屓なのでナンセンス。

もっとリアリティーのある【滅亡】ネタは幾らでもあり、そういう事を考えていくと、洒落にならない怖さを感じる。

秋の夜長に暇つぶしをするなら、どうすれば人類が絶滅するか、を突き詰めてみるのも悪くないかもしれぬ。