一筋の光

ノーベル医学生理学賞に、山中伸弥教授が選ばれた。
TVにも度々出演していたので、ご存知の方も多かろうと思う。

メディアへの露出に関しては、研究費用の捻出のためという事情もあったが、実に味のある人物だと感じた。
とにかく真っ直ぐな人で、幾多の挫折を経ながらも、道筋を変えることなく、実直に歩んだ成果が世界に認められた。

嫌なニュースばかりが目立つ国内で、久しぶりに光を感じた。
多くの可能性を秘めたiPS細胞の未来を考えれば、難病に苦しむ人たちにとっても一筋の光となろう。

余談だが、韓国の報道では【また、日本・・・また、京大】と見出しがあったそうだが、悔しさを滲ませる暇があるなら、捏造ばかりでなく、まともな研究に励むことだ。

まぁ、ろくに研究費用も出さないくせに、相手の都合も考えずに電話をしてくる総理大臣のヤボったさにも苦笑した。
感謝の意を述べる教授にしてみれば、こうした国の態度に腹を立てるより、これからの研究費を増額させるためにも、一応は国に感謝をしてみせた、ということだろう。
いやらしい人気取りをするより、金を出せ、ということだ。

教授の進める特許取得についても、研究の閉塞が起こらないように、多くの研究者が取り組める環境作りのための防衛的特許申請で、医学の発展を妨げてはならないという強い意思を感じる。

私などが考えるより、はるかに重い、押しつぶされるような重圧の中で、あくまで真っ直ぐに医学の道を進む【男】の姿に、日本人は学ばねばならない。

私たちの道もまた、真っ直ぐでありたい。