近隣トラブル

ご近所トラブルという表現では、とても足りない事件が、毎日のように報じられる。

高齢の男性が加害者になるケースが多いようだが、単身者で仕事も終え、日々の暮らしをするようになって、近所のトラブルに接するようになり、その解決法が暴力では救いがない。

本来、男というものは外に出るものであって、ご近所付き合いは妻の領分だったのが、熟年離婚の増加もあってか、経験が少ない高齢男性がストレスを溜めているのも原因だろう。

私も、不動産バイヤーを経験しているので、特にマンションでの近隣トラブルには、何度も足を運んだ。

中には、苦情を言っている男の話を聞いて相手先を訪問すると、事実がまるで違ってくることも珍しくなかった。
苦情を言ってきた男が迷惑の発生源であり、他の住人は例外なく不満を述べてくる。
その事実を調べてから、男と接すると、なるほど見方も変わってくる。

寝ている時に音が煩いという主張も、隣人は普通の生活時間帯で暮らしており、気の毒だが壁の薄さも問題ではある。
誰が、昼間から寝ている人間に気を使って生活するものか。
子供も動くのが仕事であり、深夜に夜泣きをするのは迷惑かもしれないが、昼間に飛び回ることまで止めることは出来まい。
また、この男は濡れたカーペットを絞らずに干し、階下の布団を汚していたことも聞いた。
そして、騒音だと騒ぎ倒す本人が、階下や隣室から逆に煩い家族なのだと迷惑していることも聞いた。

このケースは、平等に聞き取りをした結果から、苦情男に説明した途端、こんな所に住んでいられるか、と怒鳴り散らしながら引越しした。
どれだけ同じマンションの住人が楽になったかは言うまでもない。

俗に【声のデカイ馬鹿者】ほど、往々にして問題を起こす。
自分の行いを振り返らず、あくまで他人のせいで、自分の生活を乱されているという妄執を高め、クレームばかりを申し立て、自分が癌細胞なのだとは認めない。

こんな人間の近所になるのは不幸以外の何者でもないが、こういうのが近所同士になると、ニュースのような殺人にまで発展するのだろう。

迷惑住人同士が殺し合うのは勝手だし、結構なことだが、どうか似た者同士で潰しあって貰いたい。
大多数の常識人は、異常者の近くには住みたくないからだ。

安物の物件に住むのは損だと、経験から深く思う。