好きなアニメ映画

今週のお題「好きなアニメ映画」

映画マニアを自負している私だが、古いアニメ作品の印象が強すぎて、もう何年も観ていない。

そんな中で、劇場版として思い出深いのが、【風の谷のナウシカ】だ。
この作品を好きな方は多いと思うが、多感な学生時代に、初めて観た時の感動は忘れられない。

元々、アニメージュ(メージュ)派だったので、連載を読んでいたせいもあるが、云わば終わった世界で人と腐海が共存する道を模索するという物語に、強い衝撃と共感を感じた。
古典SF好きだったせいもあるが、こういう世界観の構築は、海外作品には多かったが、日本で出会えた事が大きかった。

この手の話では、大抵の場合、ラストは暗鬱になりがちなのだが、そこに伝説を加え、感動的な金色の野のシーンを演出している。
魅力的なキャラクターに加え、当時は画期的だった王蟲の動き(ゴムマルチ)、ナウシカの行動的な慈愛が素晴らしいハーモニーを描いている。

当時の記憶を掘り返せば、ラストはナウシカ王蟲の群れの前に降り立つまでだったはずだが、後の宮崎組からの進言で、土壇場で追加されたのが、あの伝説の再臨とナウシカの甦りだった。

宮崎氏は、今でも悩んでいるそうだが、あのくらいの作為は入れた方が、映画としての余韻が残って良いと思う。
蛇足では、無いだろう。

今年、久しぶりにHDリマスター版を視聴したが、不覚にも涙を流してしまった。
これは、学生の頃とは違う感情であって、内容の深さを感じ取ってしまった故のものである。

これ以外の宮崎作品は、1〜2本しか観ていないが、氏の最高傑作であると勝手に決めてしまおう。