ロボット

語源は、チェコ語の【強制労働】からの造語で、人間に近い機械や生体機械(バイオノイド)を指す。

およそ100年の間に、人類はオートで動く機械を数多く開発してきたが、用途の多くは人間の労働負担を減らすものだ。
際限のない繰り返し作業、精巧な加工、危険な場所での労働など、今ではマシンの得意分野だ。

軍事の分野では、ほぼ全ての機動兵器に電子回路が組み込まれ、無人兵器も珍しくない。
最も人的被害を受け易いだけに、兵士の生命を守り、敵を駆逐するマシンが発展・開発されてきた。

古典SFの【バーサーカー・シリーズ】は、生命体を駆逐するためだけに存在する巨大兵器が、思考・進化・再生しながら、様々な知的生命体と接触・戦闘を繰り返す。
これも、一種のロボットであり、与えられた命令を行うために、銀河中を無数のバーサーカーが飛んでいる。

産業以外の平和利用としては、救急・消防・防災の分野での発展が目覚しい。
森林火災・化学火災のような人間が近づいて消火活動が出来ないものは、コントロール可能なロボット放水車を用いることで、隊員の生命を守り、早急な消火活動を可能にしている。
ただ、高価なので普及が難しく、何処の現場にも使えるようになるには、低価格化が必要だ。

エピテーゼ(体表面の人工物)・プロテーゼ(体内人工物)の技術も格段の進歩をみせており、人間の全身を人工物で構成することも不可能ではないが、意味はない。
マシンに人間のような動きを可能にさせるには、神経や脳のような伝達と判断を行う機能が不可欠だが、一昔前までは二足歩行することさえ難しかった。
階段でコケるASIMOに失笑を禁じえないが、実はこの段階はすでに克服しており、重量バランスとサーボ機能を高性能AIで制御することで、学習による行動を可能にしている。

膨大な学習データを処理するには、記憶装置の小型化と制御装置の高性能化が必要で、どちらも後数十年は必要と言われているが、例えばデータを無線で出入力し、制御装置も量子コンピューター技術が実用化されれば(理論のみ確立)、人型ロボットも作れるだろう。
夢物語のようだが、コンピューターの驚異的な発展を考えれば、量子コンピューターも基礎的な実用化が出来れば、そこからは驚くようなスピードで高性能化するだろう。

まぁ、人型である必要性は全くないのだが、そこはロマンというもので、いずれは誰かが開発するだろう。

ロボットカーの開発は急速に進んでいるので、こちらは近い将来に実用化されるとのこと。
運転・車庫入れ・危機回避をGPS情報や各種センサーで判断し、半自動で動いてくれるもので、道路交通法の問題をクリアー出来れば、実用に耐える。
一般道以外なら、オーストラリアの土木工事で、すでに近いものが採用されている。

少子高齢社会に突入した日本では、安価な労働力の確保という点で、この分野が成長すれば、かなり国益につながる。
そのうち、ロボットに出来る程度の能力では、仕事に就けない時代になるかもしれない。

とりあえず、ルンバが欲しい。