炎の魔力

放火犯の心理を犯罪学の本に寄ると、ストレスからの開放と常習性が紐解ける。

実際、放火も再犯率が高いとして、どの国でも初犯であっても重罪になる。

手から放たれた火は、大きく魔物のように成長し、最後には炎となって焼き尽くす。
人が火を燃やすという行為は、その強大な力を発する先手になれる欲望であり、成長した炎を見る高揚感へと達する。
そして、焼け跡を作った満足感で終息するが、この行為が快感となり、常習性を生み、更に酷い場合は、人が住んでいる場所まで焼きたくなるという。
他人の命を自分の炎で奪いたいとなれば、もう救いようがない。

大阪の八尾市で続いていた連続放火は、死人が出る最悪の事態は避けられたが、異常な執念で行われており、間違いなく懲役刑だろう。
無職の42歳の動機は【仕事が見つからないストレスの発散】であった。

放火は卑怯な犯罪であり、手段も簡単で、捕まらないように用心しながら、小心者が行うタイプの事件である。
捕まった男の顔は、正にこの典型で、子ネズミのような冴えないものだった。

特別な場合を除いて、放火はメリットが精神的高揚のみで、捕まれば重罪とデメリットの多い犯罪だ。
だが、被害に遭う方にとっては、非常に恐ろしい犯罪であり、犯人が捕まるまでは、安心して眠ることも出来まい。

八尾市の犯人が捕まったと思ったら、今度は堺市で連続放火が有り、監視カメラの映像では、どうやら女らしい。

現行犯逮捕が基本の事件なので、尻尾を捕まえるのも大変だろうが、警察や自警団には頑張って防いでもらいたい。

どんな不満も、放火で晴れる訳はないし、麻薬と同じで、覚めれば自分の矮小な性根が見えるだけだ。

現実を変えるには、心の炎で自分を鍛え直すことだ。