勝てば官軍

先日、橋下氏が太陽の党との合流を決め、日本維新の会が吸収する形で決着した。
代表に石原氏、代表代行に橋下氏という陣営は悪くない。

だが、実感としては、早まったんじゃないか、という気持ちが強い。
今回の選挙で、無理をして理念を曲げる必要があったのか。
これから一ヶ月足らずで、維新の会としての主張を確立できなければ、国民の信頼は得られまい。
開票日に民意は明らかになるが、石原代表で足場を固め、後に市長の任期を終えた橋下氏が、政界に出て行くというシナリオが成就するかは微妙な気がする。
1+1=2にならないのが、人気というもので、橋下氏の発言が更に重要になっていくだろう。

みんなの党の活動や渡辺氏の発言には、好感が持てる。
政策は地味だが、それだけに重要な点であり、これまでの活動にも一定の努力を認めたい。
華はないが実を得るという態度は、これからも続けて欲しい。

トップの人気がないので忘れがちだが、国民の生活が第一の小沢氏も無視出来ない勢力を保っている。
党首討論では存在感を出せず、無罪になったとは言え、金と政治の黒いイメージが付きまとう人だが、今回の選挙で勢力が維持できれば、手持ちの選択肢は強力だ。
自民が大勝できなかった場合、数合わせだけで言えば、民・自どちらかと組めば過半数を超えるとすると、政策の不一致など問題にせずに動く可能性が高い。
一つだけハッキリしているのは、この人は死に体などに甘んじる男ではないということだ。

日陰でトップも地味な公明党は、良く言えば足場が固い。
その足場に不快感を覚える人も多いのだが、一定の不動票を確保しているというのは、それだけで強みだろう。

残りの政党は、さっさと何処かと組んで数を減らして欲しい。
結成するのは勝手だが、余りにも多すぎるし、特に強力な政策があるわけでもないようなので、選挙の邪魔だ。
個人企業が乱立しても、社会のためにはならないのと同じだ。
私も個人事業主だったから、限界も分かる。

選挙までに吸収合併が進めば、それぞれの政党の方針やマニフェストも出揃うだろうし、判断する材料も絞り込める。
時間が短いので中途半端な争点になりそうだが、票が分かれそうなので、選挙後の動きも活発になるだろう。

口だけの改革に終わった失望感から、次は安定した政治を行って欲しいという気分で、民意は自民党寄りかもしれないが、日本が良い方向に進むのならば、自・民+αの大型連合で、事実上野党が少数政党のみになっても仕方がない。
日本のためになる法案が通りやすくなれば、大きな改革も可能だろう。
まぁ、変な法案も通るだろうから、監視は重要だが・・・。


正直、政治が変わって一番影響を受けるのは、低所得者層であり、社会的弱者である。
経済界や富裕層には緩やかな風も、下に向かえば嵐となる。
どんな風を吹かせる政党なのか、よく見極めて投票しよう。