生存確率

世界には、銃で武装した人間の内、60%の民間人と40%の軍人・警官がいる。
国民が非武装なのが当然な日本が、如何に異質であり、安全な環境に守られているかが分かる数字だ。

銃がなければ犯罪が起こらない分けでは無いが、子供でも人が殺せる武器を持たないのと、持ちながら理性を保つのを比べれば、前者の方が有効なのは言うまでもない。

人間の暴力性は、文明の発達と共に自重されるべき面であり、他者を害さないというのは、法の原点でもある。
恐らくは、人類有史以来、唯一その理想に近づいたのが、現在の日本国だろう。

そんな我が国でも、癌や交通事故で亡くなる人より、殺人で死ぬ数が少ないというだけで、暴行・傷害・強姦・強盗に巻き込まれないわけではない。
凶器が銃というケースが稀なだけで、刃物や鈍器を使うだけの話だ。
刃物に付いては、やりすぎなぐらい法が改正されているので、包丁一本さらしに巻いて旅に出たなら、すぐ捕まる。

特殊な経験や職業に就かない限り、銃に関しての知識や扱いは日本人には無縁であり、爆発物となると、更に無知だろう。
人生で、銃を向けられるとか、目の前に爆弾が出てくるシーンなど、まず無い。

実は、私は両方共に経験があり、最初は恐怖したが、訓練をすることで、ある程度は慣れた。
今は、日本住まいなので、すっかり警戒心を失ったが、こんな暮らしをしながらでも、最低限として、全力疾走や体術や棒術が行える体力は確保している。
・・・つもりだ。

まぁ、膝が悪いので、なるべくなら全力疾走しなければいけないような状況にはならないで貰いたい。
体術や棒術についても、素人やチンピラ程度なら何とでもなるが、プロと戦うような目に遭うのは、まっぴらゴメンだ。

武器がなくても安心して歩ける国に住み、最低限の危機管理で防犯ができ、余程でなければ殺されないというのは、幸せなことなのだと感じる。

この国の生存確率は、素晴らしく高い。
だが、それだけに海外に出ていく危険を嫌い、外国人が増えるのを避ける傾向にある。
これから、グローバル化する日本社会は、安全を当然では無く、努力で得る物だという意識を持たなければいけない気がする。