危うい

安倍総理と閣僚のアジア外遊もひとまず終わり、もうすぐ総理の会見がある。
中国の横暴に曝されている国々との連携を模索した格好だが、包囲網などという表現を用いては、中国人でなくとも一笑に付される。

アジアの各国は、長い間日本からの援助や協力を受けてきたが、ここ最近は中国からの多額の支援も得ている。
そういった状態で、新興国の面々は、表立って中国を非難できないので、日本からの訪問に笑顔で応じる姿勢を見せながらも、踏み込んだ意見は出せないだろう。

むしろ、価値観だけの同盟意識を示した外遊で、中国から上げ足を取られる可能性の方が高い。
必要以上に恐れる必要は無いが、あちらは一党独裁で日本に勝つことだけを考えてきた国家だ。
歴史上でも、日本は中国に戦争で負けたことは一度もない。
第二次世界大戦においても、最終的には中国が戦勝国扱いになっただけで、あちらも勝ったとは思ってはいないだろう。

そして、国力でも軍事力でも優位になった今が、日本への復讐を実行する絶好の機会だとも言える。
尖閣問題は、良い理由になるし、今回の外遊で中国との対立姿勢を示したのも、抗戦意識を高める結果になる。

私は、今年中にも中国と戦争になってもおかしくないと思う。
どのような形の闘争になるかは分からないが、米軍の態度次第では、かなり苦境に立たされる。
中国にしてみれば、日本との国交が断絶したところで、致命的な損失にはならない。
儲けが減る程度のことと積年の恨みを晴らすことを比べれば、現在の中国人がどちらを選ぶかは自明の理だろう。

こういう時こそ、老練な外交で中国との関係の駆け引きをするべきなのだが、バカ正直にアジア外遊では、余りにも稚拙だ。

尖閣でのニアミス、憲法改正のタイミング、何処にでも開戦の火種は存在する。
これも、歴史の流れなのかもしれないが、戦争は困りものだ。

どうせ外遊するなら、ロシアやインドに行けば面白かったのに・・・。