何を守る?

今週のお題「受験」

大阪の市立桜宮高校の問題で、市教委が橋下市長の受験中止や教員の総入れ替えの要請を受けて、会議が続いている。

桜宮高校といえば、スポーツでは有名な学校で、生徒活動も活発だと聞いている。
勝利至上主義の土壌が生まれていたのは確実で、体罰を行っていた教師や顧問も、今回の男以外にも居たことだろう。

生徒やPTAが騒ぐのは、自分の学校なのだから、一種の防衛意識であり、学校の評判を落としたくないという面もある。
そんな代表の話を聞いても仕方がないわけで、問題意識を持っていた生徒や父兄の意見は、どのぐらい出てきたのだろうか。

スポーツなのだから、厳しくて当然、という考えは誤りであり、体罰は犯罪だ。
その点を重視すれば、橋下市長の意見は、至極ごもっともだし、強権の発動と取られても、大きく変えなければいけないという意思が感じられる。

将来有望な一人の少年が、自殺という最悪の手段で、追い込まれた末に命を絶っているのだ。

そんな環境で、子供が学ぶというのは、感情論を抜きにしても、かなり危うい。
徹底した原因究明と教員全てのペナルティは必要であり、それで学校が変わるまで、受け入れを行わないぐらいのことは当然だ。

確かに、この学校を目指してきた子供には気の毒だが、他にも体育科やスポーツ学を教えている学校はあるのだし、どうしてもというのなら、とりあえず普通科に入り、改善されてから再建された学科に変更すればよいのではないか。

受験というのは、その後の人生を決定づけるイベントであり、夢や希望を現実にするための大切な試験だ。
だが、だからこそ、問題が解決されていない状態で、生徒を受け入れるべきではない。

現状のまま受験したい生徒の要望を守るか、学校改革をした後に生徒を受け入れて守るか、どちらが道理に沿っているか。
私は、橋下市長が言葉足らずなのは認めるが、やろうとしていることは正しいと思う。

受験生が可哀想、真面目な在校生の話だけを聞いて良い学校、こんな判断で、学校を擁護するのは無責任極まりない。

少なくとも、体育科の教員で犯罪行為を行っていた犯罪者が罰せられてから、が最低条件であろう。