鬼は外?

今週のお題「節分」

私の育った地域では、煎豆とイワシを食べるが、全国的にメジャーな【鬼は外】はやらない。
理由はあるのかもしれないが、ただ単に投げた豆を拾って食べるのが嫌だっただけかもしれない。
ピーナッツを投げている家もあったので、儀式後に食べれるかが問題なのだろう。

イワシと言うのは、小骨が多い上に、多少の苦味があるので、子供の頃は苦手だった。
しかし、節分の決まりだから、と言われると、嫌々ながら一匹は食べていた。
煎豆も対して美味しいわけではないのだが、何故か年齢の数+αを強要され、これまた仕方なくモゴモゴと食べていた。
思えば、これも食育の一つだと思えなくもない。

ちなみに恵方巻きを食べるという風習は、成人して関西を訪れるまで聞いたことがなかった。
郷に入っても郷に従わない私としては、まだ一度も実行したことがない。
実は、太巻きという食べ物自体が、どうしても粗悪な感じがして、どうにも興味が湧かない。
故郷の【のりまき】とは、酢飯といい具といい、まるで別物だからだ。
確実に怒られるので人前では言わないが、粉物も貧しい気がして、店にお好み焼きを食べに行ったこともない。
昔、友人宅で頂いたお好み焼きは美味しかったが、それはそれとして未だに食べる気になれない。

思えば、風習や儀式を研究した身であるのに、何処のセオリーにも染まらないというのは、不思議なものだ。
民俗学や郷土学というのは、その土地で生まれ育まれたからこそ意味があるのであって、違う環境で生きる人間が真似ても、意味がないし、身にも付かない。
ソウルフードは、その土地だからこそ価値があるのだ。

と、いうわけで、とりあえずイワシの丸干を食べ、特に何も願わずに、今年も終えた。
願い事は、神様にではなくて、自分に言い聞かせるものだ。