メテオフォール

日が経つにつれて、先日ロシアのウラル地方チェリャビンスク州に被害を及ぼした隕石の実態が見えてきた。

負傷者1,240人、被害家屋4,715棟。
隕石の直径は推定17m、質量1万t、突入時の速度は秒速18kmで時速に直すと65,000kmとなり、衝突時のエネルギーは広島型原爆の30倍の500ktと見られている。

死者が出なかったのが、不幸中の幸いというか、奇跡に近い。
世界中で、隕石を警戒していても、このサイズでは確認するのは難しい。
逆に言えば、このサイズでも、これだけの被害が出るということだ。

隕石とニアミスした航空機のパイロットは、火球が三つに分かれたと述べており、さぞかし恐ろしかった事と思う。

確認された落下地点は、チェバルクリ湖で、周辺で53個の数センチ程度の欠片が回収され、調査自体は終了した。
名前は、落下した湖の名をとって、【チェバルクリ隕石】となった。

確率的には起こりうる事とはいえ、現代社会に天体規模の衝撃を与えたことは事実だ。
だが、今以上の対策など立てようもないし、それこそ杞憂の故事に習うまでもなく、そのうち忘れられるだろう。
人類は、とても日常が忙しいのだ。

それにしても、想定外や予想外という言葉も聞き飽きた感がある。
もう、何が起こっても驚かないつもりだが、まだまだありそうで困る。
いっそのこと、地球外の知的生命体がコンタクトしてきたら、と想定外の事態を思い描いてみるとしよう。