電力改革

民間企業のくせに、困ると国に頼り、経営が悪化すると、問答無用で値上げできる企業がある。
100%ライフラインを占める電力会社という巨悪である。
企業体質が悪なのであって、勤務している人間までが、全て悪ではもちろんない。
私も、努めたことはないが、電気工事士の資格を持っているので、実務労働者には共感もある。

だが、経営陣の傲慢さは、言うに及ばない。
原料価格が上昇しているのなら、企業努力で解決すべきで、利用者に押し付ける頭の構造には呆れてしまう。
電力安定のためには、長期契約で資源を確保する必要があるのは理解できるが、それはそれとして別方面での買い付け努力はしなければならないし、営利団体なのだから少しでも利益を出すように工夫をせねばならないはずだ。

総括原価主義が悪というわけではないが、5年を目安に見直すというのだから、弊害が多い点を認めたということだろう。
ただ、現状に合わせた身の振り方というのは、もっとスピード感を持って取り組むべきであり、どうにも動きが鈍いのは、経営に真剣さが足りない証左に思えて仕方がない。

第一、総括原価主義ならば、原発の維持や再稼働に拘る理由が分からない。
原発を稼働するということは、全てのコストを含めると、決して安価な発電方法ではない。
ある種の連中にとっては、大きな金づるになるから、ライフライン族とでも言うべき、腐れ腹の国賊が動いているのだろう。
自民党も、電力会社の支持というか、既得権益がある以上、発送電分離に慎重だし、結局は元の自民党体質へ戻りつつある。
電力会社の一つや二つ、経営悪化で倒産しても、放っておけば良いのである。
特定の民間企業の救済は、えこひいきなのだから、どうしても救いたければ国営化すればいい。
東電は、すでに国営といっても過言ではないが、もっと経営指導や役員を送り込んで、改革を進めて貰いたい。

票が減るから断行しない、というのであれば、自民党など民主党以下だ。
悪者が必要なら、維新と連合すれば、既得権益が絡んだ法案は全て通せる。
日和見公明党には、一度離れてもらい、ある程度の改革が終わってから、また維新と入れ替えるという手法もありだ。
国家10年の計を行うのなら、それぞれの役割を果たしつつ、政治屋ではなく政治家として、後の日本に評価されるだけの実績を積んでもらいたい。
政界の駆け引きというのは、党利よりも国益優先で行って欲しいものだ。