ドラえもん的な

今週のお題「こんな“ひみつ道具”がほしい!」

お題のヒントも、藤子不二雄F氏のドラえもんネタなので、その中から選ぶなら、ポータブル国会(15巻掲載)だろう。
好きな法案を議事堂型のポストに入れると、その法律が施行されるという何ともブラックで面白い道具だ。
ちなみに、無茶な法案を詰め込むと【解散】してしまうので、子供心に自己中はダメだよなぁ、と笑ったものだ。

世界を自分好みに変える道具は、色々と形を変えて登場する。
独裁スイッチ、もしもボックス悪魔のパスポート、オールマイティパス等、少し思い返すだけで浮かんでくる。

子供とは自己中なものだが、そういう態度でいると、必ず後で苦労するということを知る。
実際、どの道具も、オチは大変にブラックであり、ダメ少年代表のび太くんは、時にドラえもんと共に大変な目にあうのである。

とはいえ、色々と利権だ、組織だ、とやかましい社会で暮らしていると、国のために道具を使ってやりたいと思ってしまう。
ナンセンスな妄想だが、そうさせるだけの面白さが、氏の作品にはあった。

現実は、大勢で意見を育てながら、時代に合わせて一つ一つ理想に近づいていくしかない。
余りにも理想は遠すぎて、次の世代、また次の世代へと、進んだり戻ったりしながら、社会は成熟していくのである。

逆説ながら、どんな道具を使っても、万人のためのユートピアは決して作れないという事も理解する。

妥協と調和を愛と呼ぶなら、愛こそ最強の道具かもしれない。